もともと5年くらい、不登校関連の活動をしているのですが、
不登校「支援」と考えたことはほとんどありません。
こどもが学校以外だとしても「自分に合う学びの場」を求めるのはこどもの権利だと思うし、
学校に限らず、その場をつくるのが大人の責任だと思っています。
苦しい環境を作ってきたのは、おとななのに、そのこどもたちを「支援」してあげる、という立場には
常に違和感がありました。
最近は、記事のような動きも増えてきて、こどもたちが学びやすい環境が徐々にですが整ってきている気がします。

「学校行かないと社会でやっていけない」という事実
たいてい、主体的だろうと、原因があってだろうと、
学校での学びを選ばなくなった家庭に投げかけられる言葉です。
実際、これは事実だと感じます。
就職や、学校行っているひとがメインの場では、「観ている視点」が違ってやっていけないと思うし、学歴が必要なところで「比較」したら、不登校では不利なことが多いでしょう。
ただ、ここでやっていけないのは「普通の日本社会では」という場合です。
日本社会のなかでやっていくのには、不登校にとっては厳しい世の中でしょう。
しかし、裏を返せば、それ以外のところを選べば「やっていける」し、良さも活かせる、ということです。
不登校の学歴問題
不登校、ホームスクーラーに限らず、最近はいろんなタイプの通信制高校が増えてきたため、全日制以外を選ぶ人も増えてきました。

でも、実際問題、レポートを出すだけでOKといったようなところがほとんどで、
・本質的に学びたい
・わからないところをちゃんと理解したい
といった学ぶ欲、を持っている生徒に対応できるような仕組みを持っている通信制高校(サポート校も含む)あまりありません。
学習面でのサポートが強いとしても、受験対応といった視点です。いうなれば、普通の日本社会へ入れるようにするための勉強、となってしまい、学力以外の部分で「日本の学び方が合わない」子の場合は、学習の目的を失いかねません。
グローバル社会における学歴
今後、日本の少子化がすすみ、外国人労働者が入ってきたり、オンラインがもっと普及することで、仕事に国境があまり関係しなくなってくる可能性があります。
そのとき、必要とされるのは日本でしか活躍できない人材ではなく、グローバルに活躍できる人材です。
・自分で考え、答えを導き出せる人材
が必要です。
多くの場合、不登校の時期、って常に罪悪感をどこかに背負って、学校に行っているより先に、「人生」や「生活」に向き合わないとならない家庭が多いかと思います。
最中は普通に憧れるし、しんどいのだけれど、その毎日は
「自分で考え、答えを出せる」練習に確実になっています。
こればかりは急にはできなくて、年月が必要で、不登校という期間が身につけさせてくれる大きなスキルだと感じます。
グローバル時代における不登校の学歴問題
最初の都立大学の記事内にも出てきたUniversity of the peopleという大学に私自身が在籍しています。
実は在籍するのは2度目で、一度目は仕事と介護と、こどもが学校行かなくなったことと重なってドロップアウトしてしまいました。(別記事で書きますが、システムもいまほど整ってなかったのもあります)
再入学して、だいぶ学習がしやすくなっていたし、単位移行もできるように変わっているので、今回は頑張って卒業できそうかなと思っています。
ある意味、ここに在籍していたから、不登校に対してそんなに焦りがなかった、という部分もあるかもしれません。
★大事なのは高校程度卒業の学力で、高校名じゃない
この大学の入学資格は、大学なのでもちろんあるのですが、内申とか推薦とか関係がないです。
とにかく、高校レベルの学力があること。
海外なので、
・ホームスクールの修了証明書
なども認められます。(関心がある方は大学の詳細ページをご確認ください)
その他、もちろん高校の卒業証明書はわかりやすいでしょう。
ただ、全世界から学生が入学するので、学校システムにも違いがあります。
高校レベルの学習の修了を示す書類、が必要ということです。
それぞれの状況によって異なりますので、実際に入学しようと考える方、家庭は問合せが確実です。
そのとき必要なのは、「高校卒業資格やそのレベルの学習修了の証明」です。
A市の進学校Bと、進学校じゃないC、の評価は大差ありません。
地域にいたら、あの学校に落ちてこっちの学校に、、となってしまいますが、IBに対応している高校だとか、
よほど特徴がない限り、大学側で気にされません。
★入学は簡単だが卒業が難しい
わたしは常々、これが正しいと思っていて、入学までが難しいのっておかしいなと思っています。
入ってしまえばサークル遊び放題、って教育費がなんのためにかかっているのか、と親の立場から思います。(もちろん、まじめに学んでいるひとも一定数いますが)
入ってからちゃんと学ぶひとがちゃんと卒業できる、ということで初めて卒業に価値があると考えます。
自分が学生年代のときも、そう思ったので、通信制の大学に入学しました。学費も20代が働きながら行けるレベルですし、自分で払うともったいないのでちゃんと勉強したくなります。
日本の通信制もたいてい、上記のUniversity of the peopleと同じように入学自体は、簡単なので、不登校、ホームスクール、通信制高校からでも選びやすいです。(卒業率が10%切るところもありますが、オンラインスクーリングが進んできているので、卒業しやすい大学もあります)
勉強は好きだし、いろんなこと研究したがるけど、不登校からの進学が難しい、、、とあきらめている家庭のひとつの方法として参考になれば、と思います。
★海外の学歴を目指す場合の英語力
MOOCSなど海外では学ぶ環境が日本より整っていて、機会もあります。
が、日本人にとっては「英語」という言語を使わなくてはならないのは大変ですが、逆に言うと
英語さえ基準に達すれば機会が得られる、ともいえます。
いろいろあきらめてしまっている進路を、いろいろ選べるものにするために、英語だけまず頑張ってみる、というところからスタートしたらよいと思います。
英語の資格自体は、一般の進学などにもプラスになりますし、どこかに遠くに受験に出かけることが苦手なおこさんでも、自宅や地域で受験できるものも増えています。

今回の記事では、具体的なUopeopleについての情報ではなく、
「不登校やホームスクールからの進学」という視点でまとめているため、詳細に言及していません。
履修体験レポなどはまた別の機会に書こうと思っています。